事件処理の流れ

問題となる書き込みの発見

<事例>
ある掲示板サイトに以下のような記事を発見

http://www.kakikomi.com/huseiabaku/1982/ ①
『○○会社の不正を暴くスレ』 ②
16 素敵な名無しさん:2015/5/14 9:12:22 ③
「○○会社の商品は国産の材料を使ってるって宣伝してるけど、実は安い外国産の材料を使ってるんだよね。こんなの買ってるやついるのかな。」 ④
  • URLを確認(①)
  • スレッド名を確認(②)
  • 書き込みの日時を確認(③)
  • 書き込みの内容を確認(④)

* 可能であればこの時点で証拠の確保と保存までしておくことが望ましいです。

ご要望を確認したうえで、具体的なお話を伺い、次の要素を考慮しながら取り得る法的手段、要する時間、費用等の見通しを立てます。
  • 書き込みの内容が権利侵害に当たるか
    <事例>の書き込みは虚偽の事実を告げて会社の社会的評価を低下させており、会社の名誉権侵害に当たります。
  • 法的な請求の相手はだれか
    <事例>の場合、URL等から特定できた『書き込み.com』という掲示板サイトの管理者等に削除または発信者情報の開示を要請することになります。
  • 書き込みからどれくらい時間が経過したか
    <事例>では書き込みから約2か月が経過しており、早急にアクセスログの保存に着手する必要があります。
取るべき法的手段が決まったら、各法的手段をとるために必要な書類を準備してもらいます。
法的手段で用いる証拠として、次の情報を確保・保存します。
  • 書き込みの存在及びその内容
  • 書き込みのあったサイトのURL など
たとえば、先程の掲示板サイトの記事を紙に印刷します。 またその画像をデータとして保存します。
サイト管理者等に対して次の方法で書き込みの削除を要請します。
ウェブフォーム・メールでの請求
もしくは
プロバイダ責任制限法ガイドラインに則った請求
削除完了

拒否された場合

裁判所の仮処分命令を取得したうえでサイト管理者等に削除を要請します。
投稿記事削除仮処分命令の取得
+
各サイト管理者等の定める手続に則って削除を要請
削除完了
*サイト管理者ごとに取り扱いが異なります。
サイト管理者等に対して次の方法で発信者情報の開示を要請します。
  • メール等での請求
  • プロバイダ責任制限法ガイドラインに則った請求
もしくは
発信者情報開示仮処分命令の取得
+
各サイト管理者等の定める手続に則って削除を要請
発信者の氏名・住所の開示
IPアドレス等のアクセスログの開示
アクセスプロバイダの特定

アクセスプロバイダに対して文書でアクセスログの保存を要請します。

文書でのアクセスログ保存要請
保存完了

拒否された場合

裁判所の仮処分命令を取得したうえでアクセスプロバイダにアクセスログの保存を要請します。
発信者情報消去禁止の仮処分命令の取得
+
アクセスプロバイダの定める手続に則って保存を再度要請
保存完了

アクセスプロバイダに対する発信者情報の開示請求は原則として裁判所に訴訟を提起して行います。

発信者情報開示請求訴訟の提起
被告プロバイダ側は発信者に対して発信者情報開示に同意するか否かの意見照会を行います。
勝訴
発信者の氏名・住所の開示
*勝訴判決後は、基本的に被告プロバイダ側が任意に開示します。
*例外的に、ガイドラインに沿った任意開示請求や弁護士法23条の2に基づく照会が有効なケースもあります。

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